サレジアン国際学園世田谷中学高等学校

本科クラス

HONKA CLASS

Round table Discussion

ゼミ座談会

「好き」と向き合い、突き詰める。
ゼミが育む無限の好奇心と行動力

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「好き」と向き合い、突き詰める。
ゼミが育む無限の好奇心と行動力

サレジアン本科クラスの軸であり、強みとなる「ゼミ」。
入学1年目のプレゼミでは、夢中になれる研究テーマをどのように決めていったのか?
2年目のゼミ研究では、どんな試行錯誤と発見があったのか?
ゼミを通して学んだことや今後の目標など、在校生と先生が大いに語り合いました。

妥協せず、とことん話し合える環境

市橋先生 M.HさんもR.Sさんもゼミで素晴らしい成果を上げているけど、どのゼミに入りたいかは最初から決まっていたのかな?

M.Hさん 入学した頃は正直、自分が何を探究したいのかわかりませんでしたが、ゼミ体験を受けたとき、エクセルを使ってデータを予測する「DAL」に興味がわいたんです。私は性格的にじっくり時間をかけて考察するよりも、結果(データ)を見ながらそれを元に「なぜ?」と次に展開していくほうが合っているなと思って「DAL」を選びました。

R.Sさん ぼくも納豆菌の培養や起業など3つのゼミを体験しましたが、どれも知らない世界なので純粋に楽しかったです。ただ、ゼミを決めるための志望理由書を提出したとき、「具体的に何をやりたいのか、この志望動機では見えてこないよ」って先生に言われてしまって。クラスの中で自分だけゼミが決まらず焦りましたが、先生と面談をする中で次第に自分の好きなことが見えてきました。

吉田先生 担任の先生から面談で「ゼミや勉強とは別にSさんの好きなものを3つ教えて」って聞かれたんだよね。

R.Sさん はい。猫とゲームとシャーペンって答えたら「シャーペン!?」と驚かれました(笑)。その面談がきっかけで、参加した体験ゼミとはまったく違う「スケーリングラボ」に所属することになりました。

市橋先生 Sさんの例もそうだけど、本校の特徴のひとつが「面談」だと思う。生徒と先生が最後まで妥協せず、好きなことを見つけるためにとことん話し合う。せっかく4年間同じテーマで学べるのに、途中で興味を持てなくなったら悲しいからね。

音楽と気象データとシャーペン

市橋先生 2年生になると本格的にゼミが始まるけど、研究テーマはどうやって決めたの?

M.Hさん 私は音楽が好きなので、音楽に関連した内容にしたいと考えました。でも音楽とデータをどう結びつけたらよいのか分からず、先生に相談してアドバイスいただきました。

増田先生 「例えば音楽と気象データを組み合わせてみたら面白そうじゃない?」という話をしたよね。

M.Hさん なるほど!と思い、『地域の気温差による音楽の流行の違い』を個人テーマにしました。“温暖な地域と寒い地域で好まれる音楽は違うのか”をテーマに、流行曲100曲をサンプルにしてエクセルにデータを入力。その結果からさまざまな考察をしました。

R.Sさん ぼくの個人テーマは『最強のシャーペンをつくる』こと。中学受験がきっかけでシャーペンに興味を持ち、今では50本以上を収集しています。“筆記具でそんなに差が出るの?”って思うかもしれないけど、自分に合った書きやすいペンを探すのって意外とむずかしいんです。書きやすさは机や椅子の高さ、使う人の身長にも関係してくるので、あらゆるメーカーのシャーペンを研究しています。

本久先生 研究って成果が見えないうちは不安になることもあると思うけど、2人はどうやってモチベーションを保っているの?

R.Sさん 『週間S』かな(笑)。週末課題でシャーペンについて図解付きのレポートを作成したら、先生方から好評だったんです。翌週も別のシャーペンについて書いたら、先生から「週間S、決定だね!」と言われてシリーズ化が決定し、毎週校内に貼られることになったんです。

M.Hさん 私は研究の目的が見いだせず、中間発表で自信を持ってプレゼンできなかったんです。でも先生方からフィードバックを受けて道筋が見えました。その後、先生に「1人ですごい内容の研究をしているね」と褒められたのが本当にうれしくて。そこからグッとモチベーションが上がり、学園祭で賞をいただきました!

増田先生 Hさんが朝早くから大量のデータ収集に取り組んでいる姿を見ていたからね。それも大きいかな。

好奇心が刺激し合い、燃え上がる

市橋先生 今後について何か考えていることはある?

M.Hさん つくばScience Edgeでオーラル発表をしたいです。オーラル発表の選抜メンバー8名の中に入るためにも、今の研究をもっと深掘りして、さらに説得力のある裏付けデータを揃えたいです。

R.Sさん 目標は“最強のシャーペン”を作り、シャーペンの隠れた魅力をより多くの人に伝えたいです。最終的に自分のブランドを持てたら最高ですね。そのためにCADも覚えたい。

吉田先生 2人が話してくれたように、やりたいことを自由にできる環境がサレジアンの魅力だよね。自分の好きなことを堂々と公言して、それを友人や先生と熱く語れる環境は教師にとっても刺激的です。

増田先生 課題にしろ発表にしろ、いくら模範的な内容でも本人の熱い思いが見えなければ意味がない。逆に模範的でなくても、生徒が真剣に向き合った痕跡が見えれば、サレジアンはそこを評価したいと思います。

M.Hさん サレジアンのいいところは、何よりも先生が一人ひとりの生徒と向き合ってくれること。先生たちと一緒にいる時間が長いと本音を言えるし、相談できるのもうれしいです。

本久先生 生徒の好きなことを先生がちゃんと知っているって、案外むずかしい。それができているのは、先生が生徒と本気で向き合っているからだと思います。

R.Sさん ゼミで自ら考える習慣が身につき、やる気や自信にもつながっています。クラスメイトとも気軽に相談し合えて、「そんな研究やっているの? すごいね」と互いに刺激し合えるんです。他の学校に行っていたら、今の自分はいないですね。

市橋先生 学問は青天井。これは一般教科も同じで、学問の楽しさを生徒に伝えながら、教師自身も楽しんでいるのが本校だと思う。生徒の胸の奥にある火種に先生が火をつけることで、好奇心がどんどん大きく燃え上がる。これこそがパンフレットにもある「本科生よ、狂いたまえ」だよね。

ゼミ紹介
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リフレクション

振り返りで自分をアップデート
新しい体験をした後の振り返りこそ、自分を見つめ直すチャンスです。
振り返りとは、ある体験をして、その体験に対する自分の考えを持つこと。自分の考えは過去のどんな経験から生まれたのか? そこに隠された自分の想いは? そして自分が大切にしている価値観は何か?
この毎度の振り返りで自分を客観視し、自分をかたち作るモノを蓄積して土台を強くすることで、新たな考えを持つことができます。21世紀を生き抜くアイデンティティを自分で見つけませんか。

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週末課題

本科クラスはみなさんがイメージする「宿題」は極力減らしています。なぜなら「やらされる勉強」を積み重ねても、やがて来る受験や社会に出てからの成長につながらないと考えているからです。
大切なのは、「自分にとって必要な学びとは何か」を考えること。これに一人ひとりが取り組むよう指導しています。その最たる例が「週末課題」です。1冊ノートを用意し、週末に一人ひとりが課題を設定して取り組み、週明けに提出。ニュースを自分なりに調べてくる生徒もいれば、先生たちが用意した思考力問題に挑戦する生徒もいます。こうした積み重ねが学習の自走を促すと考えています。

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